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「無限の後悔と恐怖」は御免こうむりたい、の巻 [時事]

確か中学か高校の自分に読んだ漱石の「夢十夜」で、変に印象に残っている場面があります。
調べてみると、第七夜です。

 自分はますますつまらなくなった。とうとう死ぬ事に決心した。それである晩、あたりに人のいない時分、思い切って海の中へ飛び込んだ。ところが――自分の足が甲板を離れて、船と縁が切れたその刹那に、急に命が惜しくなった。心の底からよせばよかったと思った。けれども、もう遅い。自分は厭でも応でも海の中へ這入らなければならない。ただ大変高くできていた船と見えて、身体は船を離れたけれども、足は容易に水に着かない。しかし捕まえるものがないから、しだいしだいに水に近づいて来る。いくら足を縮めても近づいて来る。水の色は黒かった。
 そのうち船は例の通り黒い煙を吐いて、通り過ぎてしまった。自分はどこへ行くんだか判らない船でも、やっぱり乗っている方がよかったと始めて悟りながら、しかもその悟りを利用する事ができずに、無限の後悔と恐怖とを抱いて黒い波の方へ静かに落ちて行った。

この救いようのない「無限の後悔と恐怖」を、自分もいつか味わうことになるのではなかろうか、という懼れに、つきまとわれた記憶があります。
時は経て、確か30代の頃、妙な夢を見たことがあります。
朝方か夕方か判然としませんが、どこかうっすらと淡い光のなか、おそらく水平線の雲の間から、不気味に光る核ミサイルらしきものが、ゆっくりと姿をあらわし、だんだんと近づいて大きくなってくる。「ああ、やっぱり、間に合わなかったんだ」と深く落胆し、いましも着弾の現場を実体験するかという間際、目が覚めた、という夢だったように思います。何かの機会に、雑談でこの夢の話をしたところ、原水爆禁止運動にながく取り組んでこられたKさんに、「kazgさんも疲れてるなあ」と同情されました。
時は、SDI(戦略防衛構想=スターウォーズ計画)を掲げて宇宙的規模での核軍拡を強めるアメリカレーガン政権と、泥沼のアフガニスタン侵攻をつづけながら核軍拡を進めるソ連(当時)アンドロポフ→チェルネンコ政権との対決姿勢が激化し、米科学誌 Bulletin of the Atomic Scientists の表紙を飾る「世界終末時計」の針が三分前を示した1980年代前半のことでした。
「一億総被爆死」というフレーズが、絵空事ではなく説得力を持ちました。
余談ながら東欧・ソ連崩壊を経て、1990年代に一七分前まで押し戻された針が、地球温暖化の進行、フクシマ原発事故、核軍拡などの情勢を踏まえてふたたび刻々と終末に向かい、いま、トランプ政権の登場を受けて二分三〇秒前まで進められたことは、嘆かわしいことです。
不吉な相似はこれにとどまりません。
レーガンと熱い抱擁を交わし、「ロン・ヤス」と睦まじくファーストネームで呼び合うつナカソネヤスヒロ首相は、対米忠誠の証に「日本列島を(アメリカのための)不沈空母にする」と公言していました。「戦後政治の総決算」を掲げて、「自主憲法制定」を柱としながら、国民のいのちとくらし、民主主義を犠牲にする「臨調行革」を強行し、大規模な軍拡を進めました。「草の根保守」の運動を組織・育成しながらその路線を推し進めていくのもお得意の手法でした。
さて、現下の情勢については、多言を労する必要はないでしょう。より稚拙に、より戯画的に、そしてより乱暴に、事態が進んでいるように思えてなりません。

「週間朝日」のこの記事、室井佑月サンに大賛成です
室井佑月が政府の北朝鮮への対応に「さもありなん」?

 おどろおどろしい音楽に乗せて、米軍の巨大な原子力空母や、北朝鮮の軍事パレードなどがテレビで頻繁に映し出される。ミサイルの種類の説明をやってたり。
 ほんで、安倍首相が出てきて、
「いかなる事態でも国民を守り抜く(キリッ!)」
 みたいなCMよ。
 安倍さん、この台詞好きよね。あたしが知ってるだけでも、自民党の役員会と熊本の陸上自衛隊で発言しておる。んでもって、カメラの前でキリッ。決まった、って感じなのだろうか。
 報道じゃなく、CMだ。そこで、「どうやって守るんだよ?」という子どもでも考えられそうな簡単な質問も出て来ない。
{中略)
もしこの国めがけてミサイルが発射されたら甚大な被害が出るわけで、安倍さんがいう「いかなる事態でも国民を守り抜く」なんて発言は、ただの軽々しい言葉でしかない。
 万が一、そういう事態があったとして、マスコミは安倍さんと共に責任を取れるのか?
「いかなる事態でも国民を守り抜く」というその気持ちがほんとなら、最悪なその万が一を絶対に回避するような外交をしているわな。
 ISISのテロに狙われる可能性が高くなったのも、北朝鮮のミサイルが飛んで来る確率が高くなったのも、誰のせいじゃ? そういうことをきちんと論じる報道はほぼ皆無。危機を煽れば煽るほどCM効果で、政権支持率は高くなる。馬鹿らしい。

全部引用してご紹介したいところですが、遠慮して(これでも?)部分引用です。
NHKのミサイル落下で取るべき行動は 内閣官房のサイト アクセス急増という記事がこう伝えています。

 
北朝鮮をめぐる緊張が高まる中、弾道ミサイルが落下した際に取るべき行動についてまとめた内閣官房の「国民保護ポータルサイト」へのアクセスが急増していて、国民の関心の高まりをうかがわせています。
内閣官房によりますと、「国民保護ポータルサイト」の閲覧件数は、1年余り前は月10万件前後でしたが、その後は徐々に増えたあと、今月に入って急増し、23日までに570万件を超えています。
このサイトでは、武力攻撃を知らせる特別なサイレンの音を聴くことができるほか、ミサイルが落下した際に取るべき行動について、屋内にいる場合や屋外にいる場合など3とおりの対応を説明しています。
たとえば屋外にいる場合、近くにあるできるだけ頑丈な建物に避難し、そういった建物がなければ、物陰に身を隠したり地面に伏せて頭を守ったりするよう呼びかけています。
また、屋内にいる場合は爆風で窓ガラスが割れることなども考えられるため、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋に移動するよう呼びかけています。
内閣官房では、「いざというときに取るべき行動について知ってもらい、万が一、ミサイル落下などがあった際の適切な行動につなげてほしい」と話しています。

信じがたいばかばかしさです。
momotaro様のこの記事リアリティない弾道ミサイル退避マニュアルと「共謀罪大反対!」、さきしなのてるりん様のこの記事 2017-04-27  北朝鮮さんざ煽って我外遊でもご紹介くださっているとおり、日刊ゲンダイ4月26日付け記事が、ばっさり斬っています。


 軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう言う。
「発射された北朝鮮の弾道ミサイルが日本に着弾するまで8~10分。発射情報は米軍経由で日本側に届くため、Jアラートが警報を鳴らすのは早くても5分後。つまり、国民が行動する時間は3分しかありません。内閣府のポータルサイトには避難施設も出ていますが、東京都だけでPDFで60ページ。これでは避難施設を探している間にミサイルが落ちてきますよ。それにサリンやVXガスの場合、空気より比重が重いため、政府の言うとおりに地下街などに逃げ込んだら即アウト。(退避マニュアルは)オソマツ過ぎます」
 安倍が叫ぶ「万全の態勢」なんて、しょせんはこの程度である。

本当に核ミサイルが飛んできたらもう遅い。世界中が「無限の後悔と恐怖」にさいなまれずにすむように、力で力を抑え込む核ミサイルで核ミサイルに対抗する、などという妄信を取り払わなければなりません。みずからにその意志がない指導者には、降りていただくしかありませんネ。














初夏の麦畑です。
ミサイルが飛んできても逃げられません。

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