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井泉水忌の麦、の巻 [今日の暦]

昨日書きかけて未完成のまま寝てしまった記事を、遅ればせに掲載します。


昨日は、俳人荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)の命日だったことにちなんだ話題です。


荻原井泉水について、ブリタニカ国際大百科事典にはこう解説してあります。


[生]1884.6.16. 東京
[没]1976.5.20. 鎌倉
俳人。本名,藤吉。第一高等学校を経て 1908年東京大学言語学科卒業。ゲーテのエピグラム,シラーの2行詩から俳句の理論を発見,河東 (かわひがし) 碧梧桐の新傾向俳句運動に参加,雑誌『層雲』にその新理論を発表,さらに季題無用論を唱えたことで碧梧桐らと分裂,以後同誌を主宰して尾崎放哉,種田山頭火ほか多くの俊才を育てた。「俳句は象徴詩である」と主張,心境的な自由律俳句を発展させた。 55年昭和女子大学教授。 65年芸術院会員。代表句集『原泉』 (1960) ,『長流』 (64) 。




屋久島をはじめ、南の地方は激しい雨で被害の拡大が懸念されます。わが地方も、きのうごろから雨の予報でしたが、時たま、ぱらぱらっと降る程度で、風だけが強い荒れたお天気です。

今朝の夜明け頃。


虹が見えました。


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朝日を浴びた麦畑。


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コレットに「青い麦」という作品がありましたが、これは「黒い麦」ですね。これがライ麦でしょうか。サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」は知っていますし、ライ麦パンは食べますが、実際のライ麦畑には、確信が持てません。


 


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実は昨日も、別の場所でこの麦を写しました。


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周囲の多くはこんな麦畑です。


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おそらくこれは、わが地方で多く生産されているビール麦(ビールオオムギ)で、○リンビール岡山工場へ運ばれて、「一番搾り」などに加工されるのだそうです。それにしても、麦畑、美しい光景です。有用性の故に美しく感じるのか、アプリオリに美しいのか、考えれば考えるほど難しいテーマです。


荻原井泉水にこんな句があります。小豆島 土庄町渕崎 本覚寺境内に句碑が建てられているそうです。


佛を信ず麦の穂の青きしんじつ


大正九年の春(三十七才)、下の句とともに小豆島で詠んだ句のひとつです。


島島の眺めよろしきこの島の神
汗も塩となる塩田かせぎの痩せよう
金色に熟れおもたくて落ちたり木の實
遍路行く方麦の穂は光りつづけり
岩に据えて瓢すわりよき山の頂き


   

弟子筋に当たる山東火、放哉については何度も書きました。たとえば、この記事。


散る桜残る桜も放哉忌(意味不明)


岡山後楽園の桜道 posted by (C)kazgこの記事この記事)が、空海を敬慕してその足跡を訪ねたのが西行、西行を敬慕して、その足跡を訪ねたのが良寛だといわれます。
その良寛さんを敬慕した人は、少なくはないでしょうが、その一人が、種田山頭火でした。

山頭火の句「岩のよろしさも良寛様の想ひで」が刻まれた石碑もここに建てられています。

さて、その 山頭火を思い出すと、決まって思い出す自由律俳人に、尾崎放哉がありますが、今日はまさに彼の忌日、「放哉忌」だそうです。

尾崎放哉については、この記事や、この記事や、この記事や、この記事で話題にしました。享年41歳。若すぎます。


一番古い記事がこれでしょうか?


羽毛舞わせて食われる鳥を喰う鳥だ


最近、尾崎放哉の句を斜め読みした影響か、リズムが移ってしまったかも知れません。

昔から、 放哉は好きです。

咳をしても一人 放哉

等は、特に好きです。どんな人生を歩んだ人だったか、など、ほとんど知りませんでした。 吉村昭の「海も暮れきる」は、克明な調査に基づいて書かれていて、彼の生活と句とが不離一体のものとして心にしみこんできます。


その尾崎放哉の葬儀に当たって小豆島を訪ねた井泉水は、こう書いています。


「(略)瀬戸内海の春はほんとうに長閑だった。麦が青く伸ぴてゐる畠も、船の近くに見えた。雲雀の鳴いてゐるのも聞こえた。彼の小豆島も亦、その通りに違ひない。此佳い風景の中にー此春光を待ちあぐんだ末にー彼が死んでしまったとは如何にも残念な事におもはれた。(略)・・・」(「放哉を葬る」(層雲大正十五年六月~八月号))




「層雲」は、後にプロレタリア俳句運動に向かう橋本夢道や栗林一石路らを輩出。興味は尽きません。


麦を詠んだ句をメモしておきます。


ふるさとや麦の穂うるるしんじつに 栗林一石路
勤めの青年麦の穂をあおあおもちくる 栗林一石路
食わぬ野郎にもまばゆいばかりに熟れた麦畑 橋本夢道


夜になって強い雨が降り、今朝は快晴です。


今日はこれにて。


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コメント 4

美美

まさに台風のような一日です。
風が強くて怖いです(^^;
by 美美 (2019-05-21 10:56) 

Sparky

作家コレットについては、今年初めに公開された映画『コレット』のポスターを見て、初めて知りました。映画自体は観ていないのですが、すごい女性ですね。日本ではちょうど今公開中(岡山では6月21日~)のようです。
https://colette-movie.jp/
by Sparky (2019-05-21 17:43) 

kazg

美美様
日本列島大荒れでしたね。
美々様の写真を拝見し、マクロレンズを用意して晴れ間を待っていますが、マクロ撮影も、風が強いと辛いですよね。
by kazg (2019-05-21 20:57) 

kazg

Sparky様
映画『コレット』。知りませんでした。「青い麦」は小説でも読み、映画をテレビ放送していたのを高校時分に見たことがありますが、作者については何の知識も持たないままでした。
by kazg (2019-05-21 21:00) 

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